買って損なし!
バッハ没後250年記念の2000年に録画されたDVD。前半はオルガン曲、後半は「アンナ・マグダレーナのための音楽帳」や「シェメッリ歌曲集」収録の歌曲や小型オルガン、チェンバロのための作品などが演奏されている。前半のオルガン曲ではドイツ・フライベルクの聖マリエン大聖堂のオルガンが使用されている。コープマンの演奏は往年の切れ味に円熟味が加わってすばらしく、音質も良好で映像も美しい。演奏するコープマンの手や足もよく撮られているので、実際に演奏される方には参考になるかも知れない。不満な点は、BWV565がトッカータだけしか演奏されてないところだ。この曲はやはり続いてフーガがないとどうも中途半端な印象がある。 後半はバリトンのメルテンスが主役である。コープマン指揮のバッハ・カンタータ全集でも不動のレギュラーを勤めているメルテンスは、さすがに伴奏するコープマンとの息もピッタリと合った、安定感のある名唱を惜しげもなく披露している。そのやさしく温かみのある声の持ち主は、風貌も声同様にやさしそうなおじさんである。「パイプの歌(BWV515a)」ではバロック時代のパイプを手でいじくりながら歌っているのがユーモラスだ。 バッハファンなら買って損なしの1枚である。
ジェネオン エンタテインメント
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